◆岩屋 春日神社 (いわや かすがじんじゃ)

鎮座地

天理市岩屋町1034

電 話

0743-62-0900

交 通

JRまたは近鉄奈良駅から奈良交通バス天理線国道岩屋下車

【御祭神】武甕槌命、経津主命、天児屋根命、姫大神
【由 緒】 創祀、由緒は不詳である。旧指定村社で、神域は鬱蒼たる杜をなし、古社としての面影を存している。
 明治35年の『由緒調査書』に、「春日四柱の御分霊を鎮斎す。雑木の数株一丈余回りあるを考え、古社たるを知る。境内の神地は岩屋ありて四面谷の如く、其の嶺上に社殿を設けたる由を以て神地名云々」(『天理市史』)とあり、また[『山辺那誌』に「大字の東北方にあり、社地東西二十七間九分南北三十二間一分面積八六三坪」と記されている。
 本殿の組物、向拝虹梁の木鼻、同蟇股や向拝桁木日の懸魚、高欄や脇障子の細部は、よく室町時代の様式を伝えており、また一面、破風や茅負の眉の取り方等には近世風の手法が見られる。建立年代は明らかではないが、中世の手法に近世の手法が混っていることから、桃山時代頃と見られる。当社の板碑には、天正12年(1548)や慶長12年(1607)のものがあり、また当家行事を記録した天正年間の古文書が現存しており、その頃には既に現在のごとき境内に整えられていたと思われる。
 8月に行われる風の祈禱は、210日が無事過ぎるよう祈る祭りで、神職は呼ばず、村中の人が集まり、村で選ばれた神主により奉仕され、祭中、般若心経が奉唱されていたが、現在では役員総代の者が代表して行っている。
 毎年9月1日に宮籠りが行われ、村中の者が弁当を持ち、神社の境内にて歓談を行っていたが、戦後跡絶えた。
 参拝では神前の鈴を鳴らして拝礼し、本殿を時計回りに3回まわるという、特色ある作法が現在でも行われている。
 村の神主は氏子50戸の中の17戸で構成される宮座にて決定され、3年交代で奉仕にあたった。一番年長の者が一﨟として神主と役員を兼ね、順次八﨟までが八人衆として神社の管理に当たってきた。座の家筋の男子が順次当屋を務め、正式に座入りすることになるが、近年男子の誕生が減り、各家がかわって当屋を奉仕することとなり、また宮座についても昭和54年9月に改称し、以後村全員による選挙により任じられることになっている。
【例祭日】10月15日