◆樫辻 春日神社 (かしつじ かすがじんじゃ)

鎮座地

五條市樫辻町219-2

電 話

0747-23-0178(宮司宅)

交 通

JR和歌山線五條駅からバス丹原または賀名生下車、徒歩40分

【御祭神】武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神
【由 緒】 当社の鎮座地たる五條市樫辻町は、奈良県と和歌山県との県境に近く、平安末期までは東大寺領豊井庄に含まれる坂合部領内にある。それが鎌倉中期に至り、興福寺の一乗院領に移ったものであるが、その頃、豊井庄は二見・坂合部・大岡・大鳥の四か郷に分立したものといわれる。
 この坂合部は古く『新撰姓氏録』の大和や摂津国の皇別の条に「坂合部の首は国境の標識を建てたので坂合部の連の姓を賜った」と見える古代氏族の本貫の地であり、降って室町時代には、犬飼・上野・相谷・黒駒・中・大津・大野・山陰・表野・火打・大深・只野・樫辻の十三か村があったという。当社はこの樫辻村(現在の樫辻町)に鎮座する。
 つまり鎌倉以後、南都興福寺の門跡、一乗院の寺領であった故をもって、春日の神がその鎮守として勧請されたことは想像に難くない。従って当社の創建は恐らく鎌倉以降と考えられる。
 春日造板葺の本殿には武甕槌命以下春日四所の大神を奉祀するが、社伝や記録等当社の由緒に係わるものは何もなく、不詳といわざるを得ないが、現在の御例祭10月17日は旧暦の9月17日で、これは春日若宮おん祭の初期、平安末鎌倉頃の祭礼日と一致するとごろから、農業神といわれる春日の若宮信仰とも何らかの係りがあるのかもしれない。
【例祭日】10月17日 祭典後餅搗きあり