◆下田東 春日神社 (しもだひがし かすがじんじゃ)

鎮座地

香芝市下田東245

電 話

0745-77-5069(宮司宅)

交 通

JR和歌山線下田駅下車東へ徒歩5分

【御祭神】天津児屋根命
【由 緒】 天津児屋根命一柱を祀る当社には、その創立等の由緒を証するものは現在殆どなく、ただ境内の石灯籠と石造狛犬の銘文に幕末の「天保十二年」(1841)と見られるものが最も古い頃のものである。
 そもそも当社の鎮座地、北葛城郡香芝町下田という土地は、大和から穴虫峠を越えて河内に通じる交通の要所で、中世以来の鋳物師の本拠として知られる。平安末期から鎌倉初期にかけての短篇物語を集めた『堤中納言物語』に出てくる「片岡に鋳るなる鉄鍋」の片岡は下田の近くであるし、御所市菩提寺の元梵鐘には「延元元年(1336)鋳師大工当国下田西仏」の銘文があったという。これら下田の鋳物師は、中世南都興福寺の大乗院門跡家に所属していた関係から、春日社とも係りがあったのかもしれない。
 近世の下田は郡山藩に属していたが、江戸中期享保9年(1724)の『和州御領郷鑑』によると、下田村内の神社として、鹿島大明神・春日大明神・牛頭天王などがあったと明記されている。この鹿島大明神というのは現在下田西一丁目の鹿島神社であろうから、春日大明神が当社であることは間違いない。
 要するに下田村の鋳物師は興福寺大乗院に所属していた関係から、彼らの村に春日社が祀られたものとすれば、その創立は鎌倉以降、江戸中期以前ということになろう。
【例祭日】10月16日