◆兵家 春日神社 (ひょうげ かすがじんじゃ)

鎮座地

葛城市兵家627

電 話

0745-48-3018(宮司宅)

交 通

近鉄南大阪線磐城駅から奈良交通バス兵家下車、徒歩15分

【御祭神】天津児屋根命
【由 緒】 由緒、創祀については不詳である。遠く大和盆地を一望できる丘陵上に鎮座し、天児屋根命を祀る旧村社である。宝暦7年(1757)奉納の石灯籠があり、その頃には既に勧請されていたと考えられる。昭和21年3月20日の神社本庁への届出書によると、「大正四年十一月二時ノ都合ニヨリ大字岩橋兵家方字南畑一〇二九番地ニアリシ元春日社トノ合併決議サレ、大正六年二月一日許可」とある。
 恒例祭典である端午節句祭では、神餞と共に柏餅を供える風習が残る。数年前までは粽も供えていたが、現在は中断している。氏子が多数参拝し、次第通りに祭典を行ない、子供たちも全員、玉串を奉奠したあと、供えられた柏餅や菓子をたくさんもらって帰る。
 7月25日の夏祭りも同様に祭典を執行する。大字を三垣内に分け、どの祭りも夕方、当番の家にて神職は食事をとったあと神社へ向かい、祭典終了後、総代をはじめ役員、氏子らと拝殿で、夜遅くまで直会を催す。
 10月16日は宵宮祭。夜、拝殿にはこの1年間に誕生した赤ちゃんや新婚夫婦が初宵宮詣のため参拝している。宵宮祭祝詞を奏上したあと、初宵宮詣の祝詞を奏上する。終了後、赤ちゃんは、たて40センチ、横60センチ大、あるいは一回り小さ目の絵馬を拝殿内に掛け、氏子の仲間入りを神に奉告する。また、数年前、子供地車を購人。宵宮と例祭の2日間、他の大字と同様、大字内を練り歩く。山手の大字ゆえ、引き手は大変だが、子供たちはねじり鉢巻きにハッピ姿で、元気よく掛け声をかけ、兵家の里は夜遅くまで賑やかな声がこだましている。
 本殿の向かって左側地続きに、当社の神宮寺であったと思える寺跡がある。しかし、名前を知る人も殆んどおらず、「不許葷酒入山門 法月紹珊夫人喜捨」との刻銘の標石が残るだけで、かつて当寺鐘楼にあった梵鐘は戦時中、供出したという。
【宝 物】絵馬多数=「御宝前 文化四稔夘四月上旬当邑願主京右衛門・佐兵衛外十名」と記された古い絵馬があり、武内宿禰が子どもを抱いている絵と伝える
【例祭日】10月17日 宵宮祭=16日