◆大宇陀 春日神社 (おおうだ かすがじんじゃ)

鎮座地

奈良県宇陀市大宇陀春日519

電 話

0745-84-2613(宮司宅)

交 通

近鉄榛原駅からバス「西山」下車、徒歩約10分

【御祭神】天児屋根命、武甕槌命、経津主命、比売神
【由 緒】 当社は古来、氏神として地元民の崇敬を集めているが、その由緒は詳らかでない。『宇陀旧事記』によれば、「春日神社 春日村にあり 天児屋根命を祀り 阿貴山の峯に神楽石 麓に天の瓊矛(ぬぼこ)と称する長さ十余尺の霊宝石あり」とあって、霊石については、古代、祭祀に供せられたものと考証されている。また『大和志料』(大正3年発刊)によれば、当地も藤原氏の荘園勢力圏にあったこともあり、春日大社より分社して祀られたものであろう、とされている。なお、末社織田社については、当地大和松山藩初代藩主である織田信雄以下4代の織田家のゆかりを祭祀せるものである。
 また『大和志』によると「春日神祠 春日村松山町所祀」とあって松山全体での祭祀がなされている。
 当社は旧松山藩主織田家の崇敬厚く、松山陣屋の鬼門除の神としたと伝えられている。元来例祭の前日には野営の祭祀が営まれたが、織田家入封以来藩主に遠慮して、行われなくなったという話も一方で伝えられている。
 現在氏子は大宇陀町内12ヶ大字であり、旧松山町のほぼ半分に相当し、もう半分は神楽岡神社(大神宮さん)の氏子となっている。この12ヶ大字中地元春日は「常年番(じょうねんばん)」と称して年々の祭祀の番には加わらず他の11ヶ大字が「年番(ねんばん)」として順次1ヶ大字ずつが奉仕する。常には該当大字の総代が、1月15日の御供を献じ、10月8日には例祭が斎行される。この例祭は年番に当たる大字が総出で諸準備をし、祭典の後「太鼓台」が氏子区域を練り歩き、その後神社で「御供撒き」が行われる。
【宝 物】阿弥陀如来座像=高さ約50センチ、室町時代の木造
【例祭日】春日祭=10月8日