◆善根寺 春日神社 (ぜんこんじ かすがじんじゃ)

鎮座地

東大阪市善根寺町6-7-67

電 話

072-981-7292

交 通

近鉄新石切駅からバス「善根寺」下車、徒歩約5分

【御祭神】武甕槌命 経津主命 天児屋根命 比売神
【由 緒】 神護景雲2年(768)、現在の東大阪市にある枚岡神社の分霊が、奈良の春日大社へ遷座された。その遷座に供奉した25人はのちに河内国へ帰ったが、遷座の縁で春日大社から当地へ武甕槌命・経津主命・天児屋根命・比売神の分霊が勧請され、これが当社の誕生となった。現在は神武天皇も含め13柱が祭神とされる。
 大阪府で唯一濁酒製造の免許があり、御神酒造り神事が行われる。これは王代津祭(おだいつまつり)(神武天皇が東征の折に当地の国人に酒餅を賜ったのを記念し、本来は旧暦4月15日に開催された)でお供えする御神酒を醸造する神事である。もとは旧暦2月の初辰の日・同8月の初辰の日に、遷座に供奉した25人衆の後裔とされる家柄のうち、15才未満の男子のいる家が当屋となって輪番で担当した。醸造場所は、江戸時代末以前では当屋の邸内の仮設藁葺小屋であったとされる。
 現在は春日神社境内の造酒齋殿を醸造場所とする。以前の宮座制度に代わって春日神社敬神会が中心となり、還暦を迎えた男性を加えて、来年に還暦を控える男性など例年65~80名が参加する。醸造方法は奈良の酒造元が改良し、参加資格も古式から変えられたが、山中にある湧水地「龍の口」で水汲みが復活されるなど、伝統ある神事の担い手を自負する有志によって続けられている。神事は10月1日の水汲みに始まり、蒸米、米麹、水(龍の口の浄水)、乳酸、酵母を原材料に、朝夕2回の攪拌作業を経て醸され、14日の蔵出しには例年500ℓ余りの御神酒が完成し、神前にお供えされる。
 酒殿は近年に改修され、醸造に使われていた木桶は修理職人不足と管理の都合からステンレス製となった。しかし神棚は、酒殿の酵母に配慮し、そのまま引き継がれている。
【例祭日】10月15日