◆宇太水分神社 (うだみくまりじんじゃ)

鎮座地

宇陀市菟田野古市場245

電 話

0745-84-2613

交 通

近鉄榛原駅からバス「古市場水分神社前」下車、徒歩約5分

【御祭神】天水分神、速秋津彦命、国水分神 摂社 春日神社=天児屋根命
【由 緒】 当社は崇神天皇7年の勅祭で延喜式内の大社、宇陀郡式内17座の首座の宮で、水配りの神として大和朝廷の東辺の総鎮護である。
 平安期荘園は大和では興福寺・春日大社のそれが顕著であり、宇陀諸庄では春日社の当知行として西殿庄が注目され、その西殿庄は当水分神社鎮座の現在の大字古市場の地である。「中臣祐定記」に鎌倉初期、春日若宮節供料としてその存在が確認され、また天正3年(1575)の織田信長の信雄宛朱印状でも、西殿庄が春日若宮節供料料所であった旨記されている。そして、平安~鎌倉期に宇太水分神社鎮座地より南方、小字古宮に天児屋根命を祀る春日神社があったとの伝承があり、その旧跡も現存するが、当社所蔵の永正14年(1517)古地図にもその所在が明示されている。その春日神社が室町時代に何らかの事情で現在地に合祀されたものと推察される。両社の関係はさらに考察を要するが、今の摂社春日社の本殿は室町中期の建造であり、当時の記録「大和国宇陀郡田地帳」西殿庄の項に、定田27町6反、分米36石、此内1町8反「水分御領」と記載がある。西殿庄の中に水分領があり、水分社の経済的安定のほどをうかがうことができる。
 明治に至り31カ村の郷社とされ、同37年県社に昇格。創建以来昭和48年造営まで14回の解体・修復が本社・摂末社あわせて行われてきたが、丹塗五棟の社殿と瑞垣が緑深き森を背に美しい諧調を見せ、古昔より変わらぬ人々の崇敬が寄せられている。
【例祭日】10月21日 春日神社=7月21日