◆高樋 春日神社 (たかひ かすがじんじゃ)

鎮座地

奈良市高樋町921

電 話

0742-62-9239

交 通

JR・近鉄奈良駅から米谷行バス高樋中町下車

【御祭神】天児屋根命
【由 緒】 ここ高樋町は奈良市街区域から南東、精華地区への入口に当り、また菩提仙川が旧春日神領へ流れて行くところである。従って春日神を信仰する基盤はあったことと思われるし、水の集る土地にはほとんど水分神社が設けられていることなどを考え合わせると、春日神領への入口付近であるこの地に春日神社を祀ったこともうなずける。
 当社氏子中では10月の例祭宵宮の日に次年度の頭人子(当人子)2人を選び、その子供の家2軒が兄当家、弟当家を勤めることになっている。
 以前は例祭に先立つ9月下旬に頭人子、当家、親類が菩提仙川と五ヶ谷川との合流点の川原へ行って楔をし、石2個ずつを持ち帰ってこれを風呂に入れて頭人子を一番風呂に毎日入れた。またお仮屋を檜の葉と竹で作り、中に御幣を納めて宵宮の日まで当家が祀った。このお仮屋は例祭翌日に宮送りといって神社へ運び燃やしていた。
 宵宮の前日には兄弟当家で餅をつく。昔は玄米と油を使ったブト餅を氏子の数だけつくった。手伝人に出す馳走は鯉が多かったので「鯉当家」の異名があり、高樋や裸本の当家は派手好きで、振舞いすぎてつぶれた家もあったなどと伝える。
 神餌、食事は宵宮祭は弟当家が、例祭日は兄当家が手配、お渡りは米、小豆を吊った御幣を先頭に頭人子、当家、一般氏子の順にならんで「ヨイ ヨイワハイ」と囃し、笑いながら進むのである。
【例祭日】10月10日(宵宮9日)